平成23年8月24日
在トリニダード・トバゴ大使館 経済班
当地紙において,TT天然ガスの確認埋蔵量等に関する報道がありましたので,概要をお知らせいたします。
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1 米国Ryder Scott社の石油化学シニア・エンジニアがTTを訪問し,天然ガスの生産量及び確認埋蔵量についての最新報告を行った。
2 TT天然ガスの商業活動は今年で10年目に突入しているが,天然ガス埋蔵量は減少の一途をたどっている。確認埋蔵量(Proven Reserve)は,13兆5千億立法フィート(cf)で,推定埋蔵量(Probable Reserve)は7兆6千億cf,予想埋蔵量(Possible Reserve)は6兆cfであり,(そのうち探鉱中の天然ガスは259億cf)。2009年の確認埋蔵量は14兆4千億cf,推定埋蔵量は7兆6千億cf,予想埋蔵量は5兆9千億cfであった(探鉱中の天然ガスは259億cf)。従って,2009年~2010年間には確認埋蔵量は6.25 %減少している。同社は,少なくとも2~3年以内に政府はE&Pを積極的に推進すべきであるとの提言を行った。
3 同報告は,2010年確認埋蔵量をもとに,年間平均消費量を1兆4千億cfと設定して算出して,今後9年で当地天然ガスは枯渇するとの見解を発表しているが,ラムナラリン・エネルギー相は異議を唱えている。同相は,新規探鉱活動として予定とされている鉱区からの約5兆cfとも見込まれている埋蔵量についても,同報告では含まれていないと言及している。天然ガス価格は上昇し好況であるが,政府は探鉱活動へのインセンティブを設定していないので,企業は積極的な探鉱に乗り出せない。同相はまた,ペトロブラス社との間でも深海探鉱についてのベンチャー開発ついて協議中であり,またNGCの海外展開予定としては,ガーナやタンザニアでの天然ガス開発事業が有望であると言及した。
4 中銀総裁は,ガソリンとディーゼル燃料への政府補助金は昨年48億TTドル(7.3億米ドル)にのぼり,赤字続きのTT財政を圧迫しており,政府では,自動車の燃料をガソリン・ディーゼルから圧縮天然ガスへと移行しようとしていると述べている。
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