2011年10月
27日付当地紙が,本年1月から8月間の関西電力向けのTT産LNG(液化天然ガス)輸出量が前年同時期の約4倍増となった旨報じておりますが,右概要をお知らせします。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
1 エネルギー関連のニュース配信を行うPlattsの26日付発表によれば,本邦電力事業第2位の関西電力が輸入したTT産LNG量が4倍となっている。本年9月時点の日本の通関データに基づき, 1月―8月間でのTT産LNG輸入量は,昨年同時期の58,240メトリックトン(mt)に対して216,696mtと大幅に増加。また,昨年一年間でのTT産LNGの輸入総量も114,020mtで,右総量には最も輸入量が多かった前年9月の55,780mtも含まれている。
2 関電側はコメントを差し控えているが,データによれば関電は,現在,TT産LNGを輸入する唯一の日本企業。TT産LNGの供給業社は,通常,長期間の船舶輸送契約に基づいて販売しているが,右TT産LNGの日本への輸出は通常行われている長期契約以外のもので,Plattsによると,右LNG輸出はアトランティックLNG社への出資する中の1企業との契約。また,右LNG売買契約は,本年3月11日の東日本大震災以前に契約され,関電のエネルギー戦略目標に沿った短期及び中期契約。
3 尚,日本の通関データによれば,今年8月の関電のTT産LNG輸入量は56,827mt,右単価は1mmbtu当たり8.99米ドルである一方,日本でのLNG市場価格は16.372米ドル。上記売買契約後に,震災の影響で日本のLNG輸入価格は高騰したものの,TT産LNG価格は低価格に据え置かれている。
4 2010年11月,Plattsの関電上層部とのインタビューにおいて,関電側は「あるLNG供給企業から安定供給に基づく複数の短期・中期契約を提携することで,LNG必要量のうち約20%が確保出来た」旨コメントしている。
5 TT産LNGについてはアトランティックLNG社が管理・運営しており,同社は英・BP(British Petroleum),英・BG(British Gas)グループ,スペイン・Repsol YPF, 仏・GDF Suez, TT・NGC(National Gas Company of Trinidad and Tobago)の5社の出資を受けている。
6 すでに関電は,原発停止による電力不足をカバーするため電力消費のピークである夏期以前に,当初の計画より100万mt増のLNGを消費している。4月―9月間では,関電は昨年同時期でのLNG購入量の256万mtより12.9%増にあたる289万mtを購入し,2008年の同時期に購入した285万mt以来の最大量となった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
【在トリニダードトバゴ大使館 経済班】